ブラジルの幼児教育制度は、0~3歳の子どもを対象とする保育園(Creche)と、4~5歳の子どもが通う幼稚園(Pre-escola)に分かれています。2009年以降、4歳と5歳の子どもは就学が義務化され、政府は基礎教育の重要性を強調しています。公立施設では無料で教育が提供されますが、公立保育園の数が不足しており、待機児童の問題やアクセスの格差が生じています。そのため、多くの家庭は私立の施設を利用しますが、費用がかかるのが課題です。
政府は、全国教育計画(PNE)を通じて、アクセスの拡大と教育の質の向上を目指していますが、教師の研修、施設のインフラ整備、都市部と農村部の教育格差などの課題が残っています。**全国共通カリキュラム(BNCC)**では、遊びを通じた学習を重視し、認知・感情・社会的発達を促す指針が示されています。
また、ボルサ・ファミリア(Bolsa Família)などの条件付き現金給付制度を導入し、就学を促進。政府は民間・国際機関と協力し、教育資源や教師研修の改善にも取り組んでいます。しかし、教育の質は地域によって異なり、特に農村部や低所得地域では依然として課題が多く残っています。
こうした課題がある一方で、ブラジルはすべての子どもに質の高い幼児教育を提供することを目指し、今後もさらなる改善を進めています。