スイス最大の都市チューリッヒは、同国の「地方分権型ながら整然とした」幼児教育の特徴を体現しています。ドイツ語圏に位置するチューリッヒでは、通常4歳または5歳から「キンダーガルテン(Kindergarten)」が始まり、初等教育前の2年間が義務付けられています。
教育方針は州(カントン)ごとに策定されますが、チューリッヒ州ではドイツ語圏スイス共通カリキュラム「レールプラン21(Lehrplan 21)」に準拠しており、言語力、社会情緒的発達、基礎的な科学的思考を、遊びを通して育むことが基本方針となっています。
また、チューリッヒでは早期のバイリンガル教育(例:ドイツ語・英語)や、移民児童向けのドイツ語支援(DaZプログラム)が積極的に実施されており、多文化共生にも力を入れています。
特別支援を要する子どもたちへのインクルーシブな支援体制も整えられています。
学びの厳密さと子ども一人ひとりへの温かいまなざしを両立するチューリッヒの教育モデルは、私たちにとっても大きな学びとなるものです。