フランスの首都パリは、全国に共通する幼児教育モデルを象徴する存在です。フランスでは3歳から「エコール・マテルネル(école maternelle=幼稚園)」に通うことが一般的であり、2019年からは3歳からの就学が全国で義務化されました。
「エコール・マテルネル」では、国家教育省が策定する「幼稚園カリキュラム(Programme pour l’école maternelle)」に基づき、言語能力の習得、社会性の育成、初期のリテラシーと数的理解の発達に焦点を当てています。
大半の幼稚園は公立で無償であり、教育省直轄の運営体制のもとで展開されていますが、一部私立(主にカトリック系)も存在します。
また、「優先教育ネットワーク(REP+)」により、経済的に困難な地域の園には追加支援が提供され、教育格差の早期是正が目指されています。
子どもたち一人ひとりに、確かな基盤と可能性を与えようとするパリの体系的かつ包括的な教育アプローチは、私たちにとっても大いに学ぶべきものであると感じます。