ロシアでは、幼児教育は「детский сад(デツキー・サド)」と呼ばれる幼稚園を通じて提供され、生後2ヶ月から7歳までの子どもが対象となります。ほとんどの子どもは3歳から通い始めますが、育児休暇が終わると早めに入園するケースもあります。幼稚園の保育時間は朝7時から夜7時までと長く、3回の食事が提供されるため、共働きの家庭を支援する仕組みが整っています。
カリキュラムは子どもの発達段階や個々のニーズに合わせた柔軟なものとなっており、子どもは6歳または7歳のどちらかのタイミングで小学校に進学できます。また、愛国心を育むことも重要視されており、文化遺産や国の価値観、歴史の保存に関するプログラムが実施されています。
さらに、ロシアでは2007年に導入された「母親資本(マテリンスキー・カピタル)」制度により、2人目以降の子どもがいる家庭に対し、教育や住宅取得のための財政支援が提供されています。2020年以降は、第一子からも支給の対象となっています。
このように、ロシアの幼児教育は、学習準備だけでなく、文化的アイデンティティや家庭支援にも重点を置き、子どもたちの健やかな成長を促す仕組みが整っています。